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VOL.166『ケイ素の効果を知っていますか?』 [サンゴ]

◆可溶性ケイ素とは
 日本は超高齢化社会を迎えるにあたり、高齢者のQOL(生活の質)の向上が望まれます。その中では骨粗鬆症の予防や改善に努めることも重要なファクトです。
 骨代謝や骨の強度に関わる微量元素の中で可溶性ケイ素(Si)は軟骨や骨の骨化、コラーゲンやグルコサミノグリカン形成(糖タンパク質の成分が複雑に結合した高分子錯体で、皮膚や軟骨などの柔軟性や弾力性を維持する)に関与します。可溶性ケイ素は天然素材としては深度600m以上の深層海水に多く含まれ、表層海水に比べると26〜30倍の濃度となっています。

◆サンゴカルシウム
 可溶性ケイ素は数種のカルシウム原材料に含まれていますが、これら数種のカルシウム原材料中の可溶性ケイ素を測定したところ、サンゴカルシウムが最大の含有量を示しました。そこで、実験的に骨形成の必須元素である可溶性ケイ素を高濃度で含有するサンゴカルシウムを餌に添加して6ヶ月間マウスに与え、骨重量・骨成分・骨強度・骨代謝を調べました。
 骨は、骨細胞・骨芽細胞・破骨細胞・細胞外マトリックスによって構成されていますが、細胞外マトリックスは90%がハイドロキシアパタイトを主体とする無機成分であり、残り10%が有機成分でそのうち9%はコラーゲン、1%が非コラーゲン性タンパク質です。
 実験の結果、大腿骨中のカルシウム量は2倍以上に増加しました。また、骨気質のコラーゲン合成促進と分解抑制が見られ、骨形成が優位な骨代謝が見られました。骨代謝とは、骨が破骨細胞によって壊される骨吸収と、骨芽細胞によって作られる骨形成の繰り返しによる代謝のことで、成長期には骨形成の方が3倍も多いのですが、年齢を重ねるうちに骨は3倍も多く壊されるようになります。これを骨の代謝回転と呼び、老化にともなって骨は生理的に骨粗鬆症になるのです。

◆可溶性ケイ素の働き
 これらの効果にはサンゴカルシウムが含有するカルシウム以外の微量元素、例えば、可溶性ケイ素やマグネシウムの補助効果も大きいと考えられます。文献によれば、可溶性ケイ素を実験的に培養液中に添加すると、骨芽細胞や破骨細胞の分化成熟が促進し、カルシウムイオンの骨内への取り込みを増加させ、骨代謝回転を促進するとあります。
 サンゴカルシウムには高濃度で可溶性ケイ素が含まれていることから、他のカルシウム原材料に比べて腸管からの吸収性に優れ、吸収後の血中濃度を長く維持するだけでなく、カルシウムやマグネシウムが利用される際、標的細胞に取り込まれる段階でも、可溶性ケイ素がともに働くことが分かります。QOLの向上を助けるサンゴカルシウムを含む水をたくさん飲みましょう。

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VOL .4 『生命の誕生とサンゴのかかわり』(2) [サンゴ]

ミトコンドリアの出現
 やがて、地上に上がった生命体の中から酸素に適応できる新しい生命体が誕生しました。この新しい生命体は、好気性(酸素に強い)の微生物を自分の細胞内に取り入れました。この好気性の微生物がミトコンドリアです。新しい生命体は、ミトコンドリアの存在によって酸素を吸収してエネルギーを獲得しました。その方が、酸素の無い状況下よりもエネルギーを獲得する効率が良く、成長や繁殖が早かったのです。そのため、ミトコンドリアを持つ細胞は進化し、より複雑になり、やがて性(雌雄)を獲得していったのです。
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ヒトへの進化
 ところで、はじめて陸上に上がった生命体は、動物ではなく植物でした。この時期の植物は茎も葉もない1~2cmの目のような小さなものでした。その後、植物は20~30cmとなり、長い年月をかけて森林を形成していきました。
 一方、脊椎動物も魚類から両生類を経て陸に上がり、100~200万年前頃になって、ようやく人類の祖先である猿人が出現し、現代に生きるようなヒトへと進化してきたのです。
 ヒトは骨にカルシウムを蓄積し、エネルギーのもととなる脂肪を細胞内に保存することで、生命活動を維持しながら、肺呼吸によって酸素を取り入れています。しかし、この酸素が活性酸素となり、細胞を障害することもあるのです。ヒトが生き続けるのは、この活性酸素との戦いでした。また、ヒトは細胞内に脂肪を蓄積することによって、飢餓の時代を生き続けることができましたが、このことが今日のメタボリックシンドローム(内臓脂肪型症候群)の要因となり、老化や生活習慣病(特に糖尿病)の原因ともなっているのです。

海からの恵みに感謝
 地球に生命が誕生し、さまざまな進化を遂げて、私たち人類は現代を生きています。生命の進化に大きく貢献したサンゴは、姿を変えることなく海中に棲息し、今なお私たちに豊かな恵みを与え続けてくれています。
 私たちは、生命を産み育んできた母なる海に感謝して、与えられた命を全うできるよう、健康に過ごす努力をすることも大切なのではないでしょうか。


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VOL .3 『生命の誕生とサンゴのかかわり』(1) [サンゴ]

太古の海
 太古の昔、地球の海は強い酸性の塩酸の海で、塩化水素や塩化ナトリウム、フッ化水素などが溶けていました。その海に地表の岩石が触れたり、空中の二酸化炭素が溶け込んだりして、長い年月をかけて中和されてきたのです。
 その後、海中に存在するアミノ酸や塩基、糖などを素材として初期の生命である単純な細胞、つまり原始の微生物が誕生しました。この頃の地球の大気にはまだ酸素は存在していませんでした。

光合成する生命体
 そのような状況の中で、太陽の光を使って光合成を行なう微生物が誕生しました。この単純な微生物は、光合成作用によって二酸化炭素から酸素を作り出し、大気中に多量の酸素を放出しました。この時期の地球には、まだオゾン層は形成されていなかったので、太陽の紫外線が強く、紫外線によって遺伝子(DNA)が破壊されてしまうため、生命(細胞)は地上では生き続けることができませんでした。一方、水深50~100mの浅い海では太陽光は届くものの、紫外線は弱められたため、そこで原始生物は光合成を行い、大気中に酸素を放出していきました。

サンゴの賜物
 この酸素の放出には特にサンゴ虫類が大きく関与しました。
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 サンゴは、一見植物のようにも見えますが、50~100mの浅い海に棲む単純な細胞群の動物種なのです。サンゴ虫類は、石灰質骨格をつくり、周辺(海中)から多量の二酸化炭素を取り入れて、大量の酸素を大気中に放出しました。つまり、地球において大気中に酸素が存在するようになったのは、サンゴ虫類に起因するところが極めて大きいのです。その結果、約4億年前にはオゾン層が成立し、紫外線を弱めることができたため、生命体は海中から陸に上がることが可能となりました。ところが、酸素は反応性が高く生命体にとっては極めて猛毒であったので、多くの生命体にとって陸上で生き続けることは、過剰な酸素との戦いの日々でした。

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