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VOL .3 『生命の誕生とサンゴのかかわり』(1) [サンゴ]

太古の海
 太古の昔、地球の海は強い酸性の塩酸の海で、塩化水素や塩化ナトリウム、フッ化水素などが溶けていました。その海に地表の岩石が触れたり、空中の二酸化炭素が溶け込んだりして、長い年月をかけて中和されてきたのです。
 その後、海中に存在するアミノ酸や塩基、糖などを素材として初期の生命である単純な細胞、つまり原始の微生物が誕生しました。この頃の地球の大気にはまだ酸素は存在していませんでした。

光合成する生命体
 そのような状況の中で、太陽の光を使って光合成を行なう微生物が誕生しました。この単純な微生物は、光合成作用によって二酸化炭素から酸素を作り出し、大気中に多量の酸素を放出しました。この時期の地球には、まだオゾン層は形成されていなかったので、太陽の紫外線が強く、紫外線によって遺伝子(DNA)が破壊されてしまうため、生命(細胞)は地上では生き続けることができませんでした。一方、水深50~100mの浅い海では太陽光は届くものの、紫外線は弱められたため、そこで原始生物は光合成を行い、大気中に酸素を放出していきました。

サンゴの賜物
 この酸素の放出には特にサンゴ虫類が大きく関与しました。
太古の海2.jpg
 サンゴは、一見植物のようにも見えますが、50~100mの浅い海に棲む単純な細胞群の動物種なのです。サンゴ虫類は、石灰質骨格をつくり、周辺(海中)から多量の二酸化炭素を取り入れて、大量の酸素を大気中に放出しました。つまり、地球において大気中に酸素が存在するようになったのは、サンゴ虫類に起因するところが極めて大きいのです。その結果、約4億年前にはオゾン層が成立し、紫外線を弱めることができたため、生命体は海中から陸に上がることが可能となりました。ところが、酸素は反応性が高く生命体にとっては極めて猛毒であったので、多くの生命体にとって陸上で生き続けることは、過剰な酸素との戦いの日々でした。

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