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VOL.309『オメガ3脂肪酸を摂取して健康維持』 [体]

◆脳の働きと魚
 記憶や学習などの働きは脳内に1000億個ある脳神経細胞のニューロンが担っており、複雑なネットワークで情報伝達しています。そしてそのスピードが速いほど思考力や判断力・記憶力・学習能力も高くなります。ニューロンの先端にはDHAが含まれています。DHAやEPAという脂肪酸はオメガ3脂肪酸で、魚の油に豊富に含まれています。1989年イギリス人の脳栄養科学研究所のマイケル・クロフォード教授によれば、日本人の子供の頭が良いのは魚を常食としているからで、知能指数が高いのはDHAの生理的な働きによるものだと報告しました。フィンランドの研究所の調査では週2回以上の割合で魚を食べている人はうつ病状態が改善したそうです。

◆オメガ3脂肪酸
 EPAは血漿凝集抑制効果がDHAよりも優れており、血管内で血小板が固まって血栓を作ることを防ぐ役割を果たします。つまり、EPAには血液をサラサラにする働きがあるので、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果が高いと考えられます。また、EPAは痩せるホルモン(GLP1)の分泌を促し、食べたものを胃に長くとどめてお腹を空きにくくさせるのでダイエット効果が期待できます。GLP1は食事中に血糖値が上がると小腸から分泌され、それに伴って膵臓から分泌されるインスリンがブドウ糖の消費力を高めます。DHAはマグロ・サバ・イワシ・サンマなど青魚に豊富に含まれEPAは同様にイワシやサバ・マグロ・タイ・ブリ・サンマ・サケなどに多く含まれています。魚の油は加熱すると酸化しやすく流れ出やすくなるので焼き魚や煮魚よりも刺身の方がオメガ3脂肪酸の摂取効率が高まります。
 一方、加熱調理でもオメガ3脂肪酸が摂れる油があります。南米ペルーのインカインチオイルは熱帯雨林を原産地とする常緑樹の鮮やかな緑色の星型の実から搾るオイルで、αリノレン酸が50%以上も含まれています。このインカインチオイルは加熱しても強力な抗酸化作用を持つビタミンEが多量に含まれているのです。ビタミンEはオリーブオイルにも豊富に含まれますが、オリーブオイルの20倍以上の含有量があります。他にオメガ3脂肪酸が多く含まれている食物はクルミです。オメガ3脂肪酸は成人男性で2.0~2.4g、女性で1.6~2.0gが1日の摂取目標とされています。クルミは数個でαリノレン酸を2.5g摂取できます。

◆オメガ3脂肪酸とカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)
 オメガ3脂肪酸を摂りながらミネラル成分のカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)もバランス良く摂るようにしましょう。特にCaは生命維持に欠かせない栄養素です。Caが欠乏すると組織や血管壁にCaが沈着するカルシウムパラドックスという現象が起こります。それが脳で起きれば認知症につながります。MgにはCaを細胞外に運び出す作用があり、Caが細胞内に沈着するのを防ぎます。正常な状態では細胞内と細胞外のCa量は1対10000に調整されています。このバランスの維持にMgが働いており、健康長寿に貢献しています。また、心臓病や血管系疾患にMgの不足が関与しているため、心筋梗塞や脳梗塞の予防にはMgの摂取が重要であると、フィンランドの国立衛生研究所は環境衛生学雑誌に報告しました。特に欧米では年々Mgの摂取量が減少しており、心血管疾患が増加しています。日本でも若い世代で摂取量が減少していますが、これは欧米食に変化したためだと考えられます。
 オメガ3脂肪酸とCa、Mgを摂り続けることで病気や認知症になりにくい身体を作ります。それには毎日CaやMgを含む弱アルカリ性の水を飲み続けることをお勧めします。

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