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VOL .31 『睡眠不足が良くない理由』 [眠り]

 日本人の平均睡眠時間は8時間くらいといわれますが、最近では短くなっているようです。睡眠不足でボーッとするというような経験はありませんか?気力・体力ともに充実している若い頃なら、1日や2日眠らなくても大丈夫かもしれませんが、カラダに無理がきかなくなってくると、不規則な生活がたたって不眠症に悩まされることは珍しくありません。最近では、この不眠症が直接的に健康に悪影響を与えることも分かってきました。

◆なぜ睡眠が大切か
 人は、目覚めている間は神経細胞がグルタミン酸という神経興奮物質を出し続けています。この物質が増え過ぎると脳の神経細胞が壊されてしまいます。ところが、眠っている間はグルタミン酸が減少します。また、脳にはグルタチオンという物質があって、眠っている間に生成されグルタミン酸の作用を打ち消す働きをします。そ
のため、不眠が続くと脳の神経興奮物質のグルタミン酸が過剰となり、それがさらに不眠を促進させ、ついには自律神経失調症やうつ病を誘発してしまうのです。睡眠は食事と同様に毎日のことなので、おろそかにしていると、気づかないうちに不眠症やうつ病になってしまいやすいのです。そうなると、頭がボーッとするだけでは済まされなくなります。
 仕事やつきあいで忙しいとか、受験勉強のために寝る時間が惜しくて十分な睡眠時間がとれない、眠る時間は十分あっても寝つきが悪い、熟睡できずに寝た気がしないなど…さまざまな理由で眠れない人が増えています。しかし、せっかく寝る間も惜しんで勉強しても、眠らないとその日に覚えた内容の記憶の保存はできないのです。長期記憶(いつまでも記憶しておくこと)のためには睡眠がとても大切で、眠らないと忘れてしまう確率が高いのです。
 一般的に睡眠は、深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)の繰り返しで、それが約90分の周期で繰り返されます。この睡眠の周期には体温の変化が深く関与しています。眠りたい欲求は体温が下がるにつれて起こり、体温が最も低くなった時に一番深い眠りとなります。ぐっすり眠れる人は明け方近くに最も体温が低くなっています。

◆よりよい眠りのために
 睡眠には脳の休養や、長期記憶の定着、成長ホルモンの分泌のほか、人が生きていく上で極めて重要な数多くの役割があります。しかし、睡眠には個人差があります。短い時間でも十分な満足感を得られる人もいれば、長時間の睡眠を必要とする人もおり、何時間眠るのがベストであると断定することはできません。
 心地よい眠りを得るためには、睡眠を妨げないことが大切です。まず、寝具は硬めで、かけ布団は軽い方が良く、枕も自分に合っていることが大切です。また、眠る前にはお茶やコーヒーなどカフェイン(神経を興奮させる物質)の摂取を避けましょう。アルコールには覚醒作用があり、質の良い眠りを得ることはできません。寝室はゆったりとし、アイマスクなどで暗くすることや、低音量の環境音楽を聴く、ハーブやアロマテラピー系の気分を和らげる芳香類など…睡眠を促す努力をしてみるといいでしょう。また、リラックス効果のある食材やサプリメントも注目されています。

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