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VOL .46 『ガンは1個の細胞から始まる』 [体]

◆DNAという設計図 
 カラダをつくる細胞は、精子と卵子が受精した1個の細胞から始まります。受精卵は、2個・4個・8個と倍々に増え続けて、やがて約30兆個に達し、脳細胞や骨細胞・筋肉細胞・血液細胞・各種臓器などカラダの構成成分をつくっていきます。その細胞一つ一つが遺伝子(DNA)という設計図を持っています。
 DNAはアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)からなる塩基で、この4つの塩基が数10億個並んで、DNAという設計図を形成しています。細胞が分裂増殖するときに、そのDNAがコピーされます。1個の受精卵が増殖を繰り返しながら細胞や臓器に分化していくのは、一つ一つの細胞が担当した組織に従ってDNAから必要な設計図を取り出し、数100種類からなる細胞を形成していきます。これらの細胞が秩序を保ちながら増殖し、約30兆個に達した頃にほとんどの細胞の増殖は終了します。しかし、細菌やウィルスなどへの感染を防御する白血球やリンパ球、また髪の毛や胃腸の粘膜、皮膚などはその後も増殖を続けます。

◆コピーミスから始まる 
 このように、遺伝子(設計図)の中には増殖を促進する作用を持つものと、増殖を止める作用を持つものが存在します。増殖を促進する機構に異常が発生すると、ガン細胞特有の増殖につながります。一方、増殖を抑制する機構には、異常になった細胞に自殺を促すアポトーシスと呼ばれる機構があります。例えば、免疫に関与するリンパ球のうち約90%は、未完成と判断されて自殺していきます。また、ガン化するような異常な細胞は、自殺させることによってガンを未然に防いでいます。これらを調節している遺伝子がガン抑制遺伝子です。
 ガン細胞は、構成する担当の組織はなく、他の細胞との協調性もなく、無秩序に増殖を続ける細胞です。ガン細胞は、1個の正常細胞が設計図を守らない細胞として出現し、それが増殖して仲間を増やしていきます。これは、遺伝子が細胞を受け継がせるときに起きるコピーミスと、外界からの発ガン物質により、塩基配列が乱れることから起きるわずかな異常によって、正常な遺伝子をガン遺伝子に変化させてしまうことから始まります。人体にはこのコピーミスや発ガン物質による異常を修復する機構が存在するのですが、この修復機構には限界があるので、異常を見逃してしまう場合があります。

◆予防するために
 腫瘍には良性と悪性があり、悪性をガンと呼びます。良性と悪性の違いは、転移するかしないかです。ガンは早期発見と早期治療が大切で、それがその後の生命予後に影響していきます。
 正常な遺伝子にコピーミスや、異常が起こらないように、発ガン物質を含む食品を避けて、日頃から魚類・鶏肉・食物繊維を多く含む野菜・豆腐などを多く摂る食習慣の管理が望まれます。

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