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VOL .52 『QOLとは』 [生活]

◆ QOLの概念
 クォリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)略してQOLは、「生命の質」「生活の質」「人生の質」などと訳されますが、一般に「生活の質」と訳されることが多いようです。
 このQOLは、社会的にみると物質的幸福・良好な人間関係・地域社会や環境の充実・十分な教育・個人の啓発・趣味やレクリエーションの充実・やりがいのある仕事・社会参加などから計られます。一方、医療の分野では、疾病の状態やADL障害の程度が大きく作用してきます。「ADL(Activities of Daily Living)」とは、人が生活するために必要な、食物の摂取・排泄・衣服の着脱・入浴・屋外歩行という5つの基本動作のことで、これが病後の患者のQOLに大きく関わってきます。

◆医療の現場では
 医学が進歩し、治せる病気は多くなりました。その反面、長期療養を要したり、治療のために患者の体力を著しく消耗させたり、延命治療を継続することによって、患者の意思や尊厳、また人間らしく生きることが損なわれるかもしれない現実があります。このような状況は、患者のQOLを低下させるといえるでしょう。そこで、病気だけを治療するのではなく、患者が尊厳を保てる生活を実現できるように、患者を援助することが必要であるという考え方が生じました。これがQOLを維持させ向上させるという、総合医療の考え方です。最近ではQOLの概念が普及し、重要視されるようになってきたため、患者は医師から病気や治療方法などの内容について詳しく説明を受け、理解した上で治療方法を選択・合意するという「インフォームドコンセント」が普及してきました。
 一方、近年QOLを低下させる要因として、ロコモティブ・シンドロームが注目されています。ロコモティブ・シンドロームは、運動器症候群のことで運動器の障害によって、介護が必要となるリスクが高い状態になることです。多くの人にとって運動器をいつまでも健康に保つことは難しい問題のようです。しかし、QOLを保つためにはこれを予防しなければなりません。

◆QOLの向上へ
 個々のQOLの向上のために、社会全体が共通意識を持ち、実現に向けての環境整備が望まれますが、各人の努力も大切です。
 自分のことは自分でできる、社会と交流できる、自分の意志を持ち多様な選択・行動ができるなど…尊厳を持って自分らしく生きられることが、QOLの維持といえるでしょう。そのためには周りの配慮も重要ですが、本人が食生活をはじめとする生活習慣を改善し、健康を維持することが大切なのです。

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