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VOL.171『痛風や高尿酸血症に気をつけましょう。』 [健康]

◆プリン体とは
 日本人は健康意識が高い国民です。例えば、夏には汗をかき疲れやすいのでスタミナ食を多く摂ります。そして冷たいビールが元気の素となります。しかし、これらの食品にはプリン体が多く含まれており、痛風や高尿酸血症のリスクが高まる危険性があります。
 そこで最近では、プリン体ゼロの発泡酒や食品の販売が増えていて、プリン体は悪玉のイメージが定着しています。ところがプリン体は、体内でも生成される生命維持には必要不可欠な物質なので、問題は過剰摂取にあるのです。プリン体を毎日過剰に摂取すると、成人の20〜30%が痛風や高尿酸血症になります。

◆痛風・高尿酸血症
 プリン体は遺伝子の構成成分やエネルギー源になり、食品のうまみ成分でもあります。食品中のプリン体は代謝分解され、最終的には尿酸となり、尿中から排泄されます。食品中に多く含まれ体内でも作られるので、過剰摂取や高カロリー食が原因で、7.0mg / ㎗以上の尿酸値が持続した場合には危険信号となります。
 血液中の尿酸値が上がると高尿酸血症となります。すると、関節内に尿酸が沈着して針状の尿酸結晶を形成し関節内を刺激するため、激しい痛み(痛風)を発症します。また、血液中の尿酸結晶は、腎臓のろ過機能を持つ糸球体や再吸収機能の尿細管に沈着して、腎臓機能障害や尿路結石・腎結石・膀胱結石を発症し、尿路結石は激痛となります。また、それらが心臓や脳に移行すると虚血性疾患や脳血管障害の症状を発症します。
 体力をつけようと肉類や脂分の多いスタミナ食を過剰摂取して内臓脂肪が増加すると、尿酸合成が増加します。散歩のような適度な有酸素運動をすれば尿酸量は減少しますが、激しい運動は組織や筋肉を刺激・破壊するので却ってプリン体を増やします。つまり、スタミナ食を食べて過激な運動をすることは、高尿酸血症や痛風の発症を招くだけでなく、高血圧や糖尿病の発症リスクも高めるということです。それに飲酒習慣が加われば、プリン体が過剰となり、尿酸合成は促進されるのに、尿中への放出量が減ってしまうようになるため、ほとんどの人が高尿酸血症になってしまいます。当然、高尿酸血症の状態を数年間放置すれば痛風発作や腎機能障害、心疾患を引き起こします。痛風発作は尿酸の結晶が関節内に沈着して足の親指や手首・足首に激しい痛み、腫れ、発赤、発熱が起きます。24時間がピークで1週間から1ヶ月ほど続きます。また、腎臓から膀胱の間の尿管に尿酸結石ができると激しい痛み発作となるため、病院での手術が必要となります。

◆予防するには
 基本的にはプリン体摂取を1日400㎎に抑え、適度な運動や規則正しい生活習慣、十分な水分補給をすることが大切です。
 プリン体を多く含むレバー・イワシ・白子・アンコウの肝・エビ・カニ・ヒラメなどの摂取は肥満やメタボの原因にもなります。プリン体を多く含む食品の摂取を制限し、禁酒することが予防の原則です。プリン体を多く含む食品や美食家が好む食品には酸性食品が多いのです。一方、野菜やアルカリ性食品は尿酸を溶かして尿酸沈着を防ぎます。また最近では、尿酸値を下げる働きとしてプリン体を栄養素に変える乳酸菌PA3株を含むヨーグルトが商品化されています。これらを積極的に摂取し、プリン体を多く含む食品や飲酒量を減らして痛風や高尿酸血症を予防しましょう。

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