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VOL.193『長寿遺伝子を働かせましょう』 [長寿]

◆長寿遺伝子とは
 日本は世界に先駆けて長寿国となり、100歳以上の長寿者は5万人を超えました。2003年、アメリカ・マサチューセッツ大学で酵母の長寿遺伝子が発見され、全てのヒトにもこの長寿遺伝子があることが分かりました。この長寿遺伝子は、若い頃には働く必要がないので細胞の中で休んでおり、50歳以上になると働き出します。100歳以上の長寿者はこの長寿遺伝子が働いたのです。
 ヒトが活動する時にはエネルギーが産生されますが、同時に2〜3%の活性酸素が産生され、細胞内の遺伝子を傷つけます。細胞は分裂するごとに傷ついた遺伝子によって障害されます。つまり、老化は遺伝子の傷が原因で起こり、肉体の変化として現れます。活性酸素が引き起こす細胞の傷から遺伝子を守るのが長寿遺伝子で、老化の速度を遅らせる働きがあります。そして長寿遺伝子の働きには個人差があります。

◆飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸
 ヒトのエネルギー源の中心となるのが糖質です。若い頃は基礎代謝が大きいので、糖質を過剰に摂取しても肥満になりにくく、糖質を制限するとエネルギー不足となります。40〜50代からは糖質を過剰に摂取すると基礎代謝が低下しているので肥満になり、長寿遺伝子が働きません。
 長寿遺伝子を働かせるには糖質を制限することであり、これが肥満や糖尿病を防ぐ要因となります。糖質を制限するだけでは栄養バランスが乱れるので、肉類や魚介類、豆類などのタンパク質を摂取しましょう。肉類は毎日もしくは週に2〜3回摂取し、同時に野菜の食物繊維を摂りましょう。肉類は飽和脂肪酸が多いので、血液中の悪玉コレステロールや活性酸素が増加しますが、一緒に野菜や果物、豆類や海藻類を食べると腸内バランスを整います。
 50歳前後から男女ともに更年期障害になります。女性は女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって男性よりも症状が明確で、倦怠感・不安感・集中力の低下などが起きます。男性も男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が減少し、性欲や性機能・筋肉量が低下します。飽和脂肪酸は常温で固まりますが、不飽和脂肪酸は常温でも固まりません。常温で液体状のものを油、固体状のものを脂肪といい、両者をまとめて油脂といいます。飽和脂肪酸は牛・豚・鶏の肉類や牛乳・卵・バターなどの乳製品で、ヒトの体内では固まりやすいので血液をドロドロにします。不飽和脂肪酸は魚介類や野菜に含まれる油で体内でも固まらず血液はサラサラな状態で流れます。
 不飽和脂肪酸は脳の細胞膜、神経細胞やシナプスの細胞膜に欠かせない材料です。特に、50歳以上の認知症予防に有効な不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは青魚に多く含まれています。週に3回以上の頻度で魚を食べる人は認知症になる確率が低いという調査結果もあります。

◆健康で長生きを
 50歳以上になると、肥満解消のために急に運動を始める人が増えます。運動は男性ホルモンの分泌に役立ち筋肉量を増やしますが、活性酸素の発生量も増やします。激しい有酸素運動やマラソンは、肉体(筋肉)を鍛えるのには良いですが、老化も早めます。過度の負担をカラダにかけると、活性酸素の発生量が増し、長寿遺伝子が働かないので、老化が進みます。
 50歳を過ぎたら、カラダを冷やさないように温泉やお風呂で体を温め(ヒートショックプロテイン)、深呼吸で新鮮な空気を吸い込み、ミネラル成分を豊富に含む水をたっぷり飲みましょう。また、腸内フローラの働きを高める食物繊維を十分に摂取しましょう。腸の蠕動運動を活発にすると長寿遺伝子が働き出します。長寿遺伝子を働かせ、いつまでも健康で長生きしましょう。

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