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VOL .8 『高血圧とカルシウムについて』 [高血圧]

 高血圧とは、一般に体内循環の動脈圧の上昇をいいます。高血圧の大部分は原因不明な「本態性高血圧」で全体の90%を占めています。原因の明らかな「二次性高血圧」10%で、他に「腎性高血圧」(腎血管の狭窄や腎炎)や「内分泌高血圧」があります。

本態性高血圧
 正常血圧とは、収縮期血圧が130mmHg以下、拡張期血圧が85mmHg以下ですが、一般に収縮期血圧が140mmHg以上で、拡張期血圧が90mmHg以上では高血圧となります。
 高血圧の90%を占める本態性高血圧はゆっくりと進行し、動脈硬化や心不全を生じる可能性を高くします。
 この本態性高血圧は、遺伝的因子と環境因子が複雑に組み合わさって発症すると考えられていますが、その原因は明らかではありません。危険因子として、肥満・運動不足・塩分の過剰摂取・喫煙・飲酒・ストレスなどが挙げられます。特徴的な症状はありませんが、頭痛、頭重感、肩こり、倦怠感などを訴えることがあります。
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カルシウムの働き
 血圧は心臓が拍出する血液量と末梢の血管の抵抗により決定されています。どちらか一方が増加したり、上昇したりすると血圧値は上昇します。この血液量を決定している大きな因子は、腎臓からのナトリウム排泄量です。
 ナトリウム(塩分・食塩)を摂り過ぎると、血液中に血管を収縮させるホルモンが増加し、末梢血管抵抗が増加するため、血圧が上昇します。
 この血圧上昇の抑制にカルシウムが深く関与しています。カルシウムが腎臓から排泄される時、ナトリウムも一緒に排泄されます。そのため、カルシウムを多量に摂取することによって余分なナトリウムも一緒に排泄させることができます。その結果、血圧は下降するのです。
 塩分を摂り過ぎないようにしながら、カルシウムを多く摂ることが高血圧の予防の一助となります。
 高血圧ラットを用いた「カルシウムの降血圧実験」で、塩分濃度を高めた食事を与えた群では、4週間後に血圧の上昇が確認されましたが、同様の食事に加え、高濃度のカルシウムを与えた群では、血圧の上昇が抑えられました。この実験からも、カルシウムの血圧降下作用が説明できます。
 そして、小魚などに含まれるリン酸カルシウムよりも、炭酸カルシウムのほうが体内への吸収が良いのです。吸収の良いカルシウムを十分に摂取して、高血圧を予防しましょう。

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