SSブログ

VOL .33 『銀の殺菌作用とは』 [生活]

◆一般的には
 銀の元素記号である「Ag」にはラテン語で「輝く」「明るい」という意味があります。また、漢字の「銀」という字は「サビない金属」を意味しています。
 銀は金に次いでのびやすい金属で、1gが1800mにもなります。それほど柔らかいので、強度が必要な場合には合金として、指輪やイヤリング・ネックレスなどの貴金属、スプーンやフォーク・箸・杯などの食器、硬貨などに幅広く使用されています。

◆銀イオンの力
 1300年前には、銀の硬貨を入れておいた井戸からは伝染病が発生しなかったという記録があります。このことから、銀容器に入れた水は長持ちするとされ、銀の壷に飲料水を保管することで、長期間の航海が可能となりました。
 その後、銀が水に接することで自然に溶出する銀イオンが、微生物(細菌など)を殺菌するということが分かったため、1930年代に流行したコレラや、1940年代に大流行した赤痢の対策にも銀の水が使用されました。また、1930年代には旧ソ連で上水道における銀イオン殺菌法(電解法)が開発され、フランス・ドイツ・アメリカがこれに追随して銀使用の上水道殺菌が一般化しました。しかし、銀による殺菌はコストがかかるため、徐々に塩素殺菌法へと移行していきました。
 銀は金属の中でも特に酸化力が強いので、銀による殺菌作用は、この酸化力で細菌のタンパク質を変性させ(変化させて壊す)、細菌の活動性や分裂増加を抑制させるものです。銀イオンがマイナスに荷電している細菌に吸着し、触媒作用で活性酸素に変わって細菌の細胞膜に穴をあけて死滅させます。アメリカのアリゾナ大学によって、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌・赤痢菌・レジオネラ菌・出血性大腸菌O-157・真菌・ウィルスなどへの銀イオンの殺菌作用が確認されています。
 また、銀の防腐作用や消毒作用、殺菌作用が、最近ではとても注目されており、この作用を利用したものには、包帯(消毒用および、傷や火傷の創傷包帯)や、病院内での感染防止用の抗菌ガラス、尿路感染防止用シルバー合金カテーテル、抗菌剤などがあります。また、衣料品においても銀イオンを塗布した繊維を編み込んだ
靴下や下着、洋服などが出てきており、今や抗菌イコール銀というイメージが定着しつつあります。

◆人体にも安全
 ところで、銀は人体には有害なのでは?という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません、銀の安全性は歴史的にも証明されており、銀が人体に有害であるという報告はありません。体内に摂り込まれた銀イオンは硫化物や塩化物によって還元され、体外に排泄されるため蓄積することもありません。水俣病(有機水銀による
神経麻痺症状)の原因として知られている水銀は人体に有害ですが、水銀と銀は全く異なる物質です。銀は食品添加物として認可されており、WHO(世界保健機関)で安全性が証明されています。

V33イラスト.jpg


共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。