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VOL .35 『感染症を防ぎましょう』 [生活]

◆抗生物質vs耐性菌
 人類は長い間、感染症に悩まされてきました。結核やペスト・コレラなどが死亡原因の中心だった時代があります。しかし、抗生物質の発見により、これらの感染症は大部分が克服されました。ところがこの抗生物質大量使用によって細菌が変化・進化を遂げ、現代における感染症増加の原因ともなっています。
 抗生物質は、細菌の発育や繁殖を抑制し、人類を感染症から守ってきました。しかし、細菌は、突然変異によって抗生物質に対して耐性を持つ新型を作り出しました。これが抗生物質が効かない耐性菌の出現です。細菌は条件さえ整えば30~40分程度で2倍に増え、突然変異を起こして、抗生物質に耐えられる新しい型を作り出せるのです。それに対抗して新たな抗生物質を作り、また細菌が耐性を持つ。このように人間と細菌のいたちごっこが続いています。

◆清潔過ぎても…
 1996年、アメリカ・オーストラリア・日本でO-157中毒が発生しました。いずれも先進国で衛生環境は良い国です。このような国の人々の免疫力は低下し、感染症にかかりやすくなっているのです。さらに、大気汚染や食品添加物、日々のストレスなどが免疫力低下に影響を与えています。日本では異常なほど清潔志向が高まり、清潔であればあるほど良いとされています。消毒薬を多用し、細菌の存在を消そうとしています。しかし、どんなに清潔を心がけても、細菌がなくなることはありません。細菌への過剰な反応が、細菌に対する抵抗力を弱めているのです。感染症から完璧にカラダをももる方法はありません。
 感染症に対しては自らの免疫力や細菌に対しての抵抗力を高めるしかないのです。規則正しくバランスの良い食事を摂ることや、規則正しい排便・睡眠を習慣づけること。また、ストレスをためないように心がけて、肉体的にも精神的にも健康を維持することが重要です。

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◆日々の予防対策を
 食中毒は、五感をみがくことでかなり防ぐことできます。この食品は食べても大丈夫なのかどうか、匂いや・味・色・ツヤなどを自分の五感をフルに使って判断するのです。そのためには、普段からこれらの感覚器を敏感にしておくが大切です。また、食品の購入時に鮮度に気をつける・料理の下準備には手や調理器具を良く洗う・
調理は手早くする・少し余分に加熱する・調理済みの食品はできるだけ早く食べきる・残った商品はできるだけ早く冷蔵庫に保管し、食べる時には再加熱するなどの工夫も必要です。
 また食品のもつ殺菌力も活用しましょう。梅干しにはクエン酸が含まれています。クエン酸には殺菌作用があり、胃の中の細菌を殺します。緑茶にはカテキンという物質による殺菌作用があり、O-157も殺すことが知られています。酢にも殺菌作用があります。水に酢を混ぜた液でまな板や包丁を洗うことも有効です。
 食中毒による下痢には、腸内の悪い細菌や、その毒素を体外に排出するための働きがあります。下痢の時には、脱水症状を起こしやすいので、水分補給が大切です。その際の水はナトリウムやカリウム・カルシウム・マグネシウムなどの微量ミネラル成分を豊富に含んだ水が良く、十分に補給するように心がけましょう。子供の場合には、腹痛や下痢の時はまずは排便させましょう。その後には十分な水分補給を行ない、直ちに医師の診断を受けることです。
 感染症を防ぐには、日常の予防対策が大きな比重を占めています。

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