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VOL .58 『感染症と免疫力』 [体]

◆ 感染症とは
 細菌やウイルス・寄生虫などは『病原体』と呼ばれ、口や鼻・皮膚など様々な感染経路からカラダに侵入し、増殖しながら毒素を出して病気を発症します。このような病原体によって発症する病気を、『感染症』といいます。感染症の中で人から人へと伝染する(うつる)病気が『伝染病』で、これが感染症の怖さでもあります。
 しかし、人には免疫システムが備わっており、外から侵入してくる病原体から身を守っているのです。

◆ 常在菌の活躍
 人のカラダは60兆個の細胞からできていると言われています。その細胞の数よりも多い多種多様な細菌が、皮膚や粘膜・消化器・呼吸器・生殖器に棲みついて、私たちと共生しています。これらの細菌は『常在菌』と言います。妊娠中の胎児は子宮の中で無菌状態で存在していますが、産道を通って誕生するときに、その後生涯にわたって共生する常在菌に感染するのです。
 常在菌は、神経や血管内には存在しません。神経や血管は体内の防御機構によって保護され、常在菌の侵入を防いでいるためです。しかし、常在菌はカラダに被害を与えるわけではありません。むしろ、健康を維持することに役立っているのです。一例を挙げると、乳酸菌(ビフィズス菌)は、腸内での食物の消化を助け、有害な病原体の繁殖・増殖を防いでいます。常在菌は『有益菌』とも呼ばれ、健康な人では常に腸内細菌叢のバランスがとれています。しかし、慢性疲労の人・体力低下の人・免疫力が低下している人では、有益菌の働きが弱くなり、腸炎など消化器の感染症を引き起こしやすくなります。

◆ 免疫力を上げよう
 感染症は細菌やウイルスなどの病原体に接触しただけでは発症しません。菌が体内に侵入し、増殖し始めると感染症となるのです。体内に侵入した病原体を、カラダは異物と認識して排除しようとします。これが免疫システム(免疫機構)です。このシステムが正常に働き、カラダが勝てば、病原体に感染しても感染症は発症しないのです。
 免疫システムではまず、病原体(異物)が侵入してくると、マクロファージ・好中球・リンパ球という細胞が集まってきて、その異物と闘い除去します。そして免疫システムはこの病原体を記憶し、再び侵入してきた際には、より早くより強力に除去するようになります。ところが、ガン末期や免疫システムに異常がある人・臓器移植を受けた人・小さい子どもや高齢者などは免疫力や体力が未熟あるいは低下しているので、弱い病原体であっても感染症を発症してしまい、死に至ることもあります。
 感染症を防ぐには、常に免疫力・抵抗力・自己治癒力を強化しておくことが大切です。それには、日頃から栄養バランスのとれた食事を腹八分目に摂る・散歩やウォーキングなどの適度な運動・ミネラル成分を豊富に含む水の摂取・十分な睡眠環境の確保などを心がけ、規則正しい生活習慣を整えましょう。免疫力の向上は、健康の維持につながります。

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