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VOL.81『良いストレスって?』 [体]

◆栄養バランスとストレス
 私たちは日常生活において、ストレスを感じない日はありません。毎日の食事も、内容によっては脳がストレスを感じます。脳はカラダの中で一番栄養素を使う臓器で、栄養バランスの悪さや不規則な生活習慣はストレスとなり、生活習慣病(動脈硬化・高血圧・肥満・糖尿病など)の引き金となります。正常な生命活動を維持していくためには、三大栄養素である糖質・脂質・タンパク質と微量栄養素(ビタミン類・ミネラル成分)・食物繊維をバランス良く摂取することが必要です。これらの栄養素が脳の活動には必須なのです。
 脳は、グルコース(ブドウ糖)から生成したエネルギー(ATP)を使って、記憶したり、情報を伝達するために他の臓器よりも多くのエネルギーを必要とします。エネルギーが供給されないと、めまい・失神・眠気・頭が働かないなどの低血糖症状をきたし、脳の機能は低下してしまいます。これは脳がストレスを感じた状態なのです。

◆良いストレス、悪いストレス
 脳のストレスには、良いストレスと悪いストレスがあります。良いストレスとは、忙しく仕事をしている時や、受験勉強中などに感じるもので、これらは仕事で成功したり、成績が上がると、さらに「頑張ろう」という気持ちになります。このストレスは生きていく上で適度な刺激となるので、良いストレスといえるのです。
 一方、精神的な負担となるストレスは、血糖値を上昇させ、血中のカテコールアミンがコルチゾール(ストレスホルモン)の濃度を上昇させます。血糖値が上がると、膵臓からインスリンが血液中に放出されます。ストレスが一時的であればインスリンは正常に働き血糖値を下げます。しかし、強いストレスが持続し、長期間にわたって繰り返されると、カラダはカテコールアミンやコルチゾールを継続的に増加させるので、インスリンの分泌が多量であっても血糖値を下げることができなくなります。これをインスリン抵抗性といい糖尿病状態となります。また、長い間コルチゾール濃度が高い状態が続くと、内臓肥満やメタボなどの生活習慣病となります。悪いストレスは、肥満・高血圧・糖尿病・動脈硬化を引き起こすのです。
 カラダは酸素を取り入れて食事からの栄養素と結びつけ、エネルギーを産生しています。ところが、エネルギーと同時に活性酸素という毒物も1〜2%生成されてしまいます。そして、エネルギーを作り出す栄養素が多くなると、使用する酸素量も増え、活性酸素の発生も増加してしまいます。活性酸素は、カラダを酸化させます。酸化するとは、釘などが錆びるのと同じことで、細胞が酸化するとカラダが障害されます。しかし、カラダには活性酸素分解酵素(SOD)やカタラーゼなどの抗酸化作用を持つ酵素が存在します。また、ビタミン類やミネラル成分を摂取することで活性酸素を分解し、酸化を抑制することができます。

◆良いストレスで脳を活性化
 悪いストレスが長期間繰り返されると、食後の血糖値が上昇し、インスリン抵抗性状態となり、抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化ストレスを誘発します。これらを抑制することができるのがミネラル成分や食物繊維です。食物繊維や植物性タンパク質・ミネラル成分が多い食事は、食後の高血糖を抑制しコルチゾール濃度の上昇を抑え、悪い(酸化)ストレスを抑制します。リラックスするために飲むアルコールでも、血中アルコール濃度が、100㎎/㎗以上(酔っぱらった状態)になると、コルチゾール濃度が上昇します。適度なアルコールは百薬の長となりますが、飲み過ぎは逆に悪いストレスとなります。良いストレスでの生活習慣を身につけて、脳を活性化させ、生活習慣病を予防しましょう。

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