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VOL.117『紫外線を浴びない対策をしていますか』 [体]

◆皮膚の構造と役割
 女性の美を追求した化粧品の開発は盛んに行なわれています。美の基本は、肌を美しく保つことと言えるでしょう。しかし肌(皮膚)は、ストレスや紫外線・乾燥・細菌などさまざまな敵から常に刺激を受け、コントロールできない環境下で過酷な状態にあるのです。
 皮膚は、表面から角質→表皮→真皮→皮下組織と、複数の層が重なってできています。このうち表皮の細胞は新陳代謝が極めて盛んで、常に新しい細胞に置き換わっています。
 表皮細胞は、老化しながら徐々に細胞としての機能を失い、角質を形成します。角質は古いものから垢となって剥がれ落ちます。皮膚の表面の角質をこすり取ると肌がみずみずしくなります。これは角質層の若い細胞が表面に出てくるためですが、角質層は紫外線や乾燥・細菌・活性酸素などから皮膚の内部を守る働きをしているので、無理に取り除かない方が良いでしょう。
 その下の表皮は免疫機能が発達しており、細菌やウイルスの侵入を防いでいます。同時に体内の水分などが外に出ないようなバリア機能も持っています。表皮や角質には『セラミド』と呼ばれる水分を貯める分子が存在し、これが肌のみずみずしさ保っています。
 真皮の細胞は大量のコラーゲンを産生するので、真皮はコラーゲンで埋め尽くされています。コラーゲンは真皮が規則正しく並んだ間に存在しています。ところがこのコラーゲン層が、加齢とともに薄くなり構造が乱れてくると、肌の弾力性が失われてタルミの原因となります。またコラーゲンの減少や、劣化はシワの原因にもなります。
 表皮と真皮の間にはメラニンを分泌するメラノサイトと呼ばれる黒色細胞が存在します。メラノサイトは、皮膚が紫外線を浴びると活性化されてメラニンを大量に分泌します。メラニンは、紫外線を吸収するので表皮や真皮を紫外線から守る働きがあります。しかし、紫外線を過剰に浴びるとメラニンが大量に産生され蓄積して、これがシミとなります。若い時には出現しませんが、加齢とともに新陳代謝が鈍くなるので、メラニンの蓄積がシミとシワとして残るようになります。

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◆天敵、紫外線から肌を守る
 シミやシワのような皮膚の劣化の原因の7~8割は紫外線です。紫外線は、皮膚細胞内のタンパク質を攻撃するだけでなく、遺伝子(DNA)も傷つけます。DNAが傷ついた細胞は皮膚ガンの原因となります。紫外線によるDNAの傷害は、直接DNAを傷つける場合と紫外線が活性酸素を作り出し、これがDNAを傷害する場合があります。
 現在販売されているシミやシワを取る化粧品は効果が期待できないものも多いようです。また、メラニンの産生を抑える化粧品は、紫外線が皮膚の内部に侵入するのを助長し、紫外線による皮膚障害を悪化させる恐れもあります。紫外線を浴びないことが大切です。
 昔から風呂に入ると肌がきれいになると言います。やや熱めの風呂や温泉に入るとシワが防げます。お肌のために朝早めに起きて、ゆっくりと(5~10分)風呂に入ってから仕事に出かけてはいかがですか。特に女性の方には、化粧品よりも効果的です。風呂で皮膚を温めること(これをヒートショックプロテイン効果という)でコラーゲンを分解する酵素が抑制され、皮膚のコラーゲン量が増えるようです。もちろん入浴の前後にはミネラル成分の豊富な水を十分に飲むことを忘れないようにしましょう。

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