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VOL.119『プロテオグリカンって知っていますか?』 [体]

◆軟骨と関節炎
 加齢に伴って、腰や膝関節、肩などの痛みを訴える人が多くなります。これらは骨を包んで保護する関節の軟骨がすり減って、骨と骨がこすり合う時に生じる痛みで、軟骨が消耗したために起こる関節炎です。これは『変形性関節炎』といって、50歳を超える頃からほとんどの人に徴候が見られ、加齢とともに必然的に起こるので進行を防ぐことが難しい病気です。
 関節の軟骨は骨と骨とを保護し、クッションの役割を果たしています。この軟骨がすり減って退化し変形することで関節に痛みが現れます。関節の炎症はかなり進行してから強い痛みとなって現れるので、治療は痛みを一時的に抑える対症療法が中心となり、関節自体を修復することはできません。症状が軽い間は、アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症剤が鎮痛薬として使用されますが、一時的に痛みを和らげる程度で、痛みを薬でごまかしている間に病気は進行し、数年〜数十年後には股関節や膝関節を人工関節に換える手術を受けることになりかねません。そうならないために最近では、病気の進行を遅らせるグルコサミンやコンドロイチン硫酸・コラーゲン・ヒアルロン酸といったサプリメントを組み合わせて摂取する方法が注目されています。

◆プロテオグリカン
 健康な軟骨は、硬い骨の間にあるスポンジのようなイメージで存在し、主成分は50〜60%が水分です。他にコラーゲンやプロテオグリカンと呼ばれる成分が存在し、軟骨に弾力性と緩衝性を与えています。プロテオグリカンは、タンパク質と糖質からなる巨大な分子です。ブラシのようなイメージでコラーゲン繊維の間を縫うように編み込まれ、目の細かいアミガ軟骨の内部を形成しています。関節の動きに合わせて軟骨が伸び縮みできるのは、このプロテオグリカンがあるからです。プロテオグリカンには水分を吸収する性質があります。
 コラーゲンやプロテオグリカンはヒアルロン酸と協調して効果を発揮します。つまり、コラーゲンやヒアルロン酸の効果にはプロテオグリカンが関与しているのです。化粧品に使用されるコラーゲンやヒアルロン酸が効果を発揮するにもプロテオグリカンの補助が必要なのです。プロテオグリカンは、皮膚や骨・軟骨・腱、血管や脳・細胞膜などに多く存在し、情報伝達や生理活性などの働きもします。

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◆新成分としての期待
 加齢とともに関節痛が発生するのは、プロテオグリカンやヒアルロン酸の産生が減少するためです。ヒアルロン酸はある種の乳酸菌から大量に効率よく培養抽出でき安価となりました。一方、プロテオグリカンは1g3万円と高価でしたが、近年、鮭の鼻軟骨から高純度のプロテオグリカンを大量に抽出することに成功し、大量生産が可能となったため価格が従来の1000分の1以下となり、サプリメントや化粧品・医薬品の分野で商品化が進むことが期待されています。関節がすり減って痛みを感じる前に、プロテオグリカンとミネラル(サンゴカルシウムなど)を摂取して予防しましょう。

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