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VOL.157『スローミイラ化とは?』 [体]

◆若い頃からの習慣が…
 人は社会に出ると多忙な日々を送るようになります。食生活が乱れて疲れが溜まり、体調が悪くなることもありますが、体力のある20代頃ならすぐ回復できます。30代になると仕事や家族に責任が生じて無理をしがちになり、スタミナをつけようと塩分や脂肪分の多いものや、糖質中心の食事を摂る人が増えます。運動量は低下するので消費エネルギーが減少し、基礎代謝が落ちてくるので太りやすくなり、活性酸素の産生に対しても活性酸素分解酵素による消失が減少します。忙しさから手軽に食事を済ませようと食品添加物が多い食事を摂ると、活性酸素の産生がさらに増します。40〜50代では、肥満傾向がさらに進むので老化が加速します。同時に血管の動脈硬化が進み、高血圧や高血糖となって種々の薬を飲むようになったりします。その時に気づいて糖質を制限し、魚介類や食物繊維の豊富な野菜食にしても、それまでの生活習慣が細胞に記憶されており、正常な状態に戻すにはかなりの時間がかかります。若い頃からの生活習慣や食生活の大切さがわかりますね。

◆糖質制限と運動
 食事を摂ると血糖値は上昇し、これがエネルギー源となります。食物中の炭水化物から繊維質を取り除いたものが糖質です。糖質の摂取が多いと血糖値は急激に上昇します。それを下げるのがインスリンです。インスリンには24時間少量を持続して分泌するものと、食後に急激に(3〜30倍)分泌するものがあります。血糖値が1日に何回も急上昇や急降下すると血管壁は損傷し、その修復に血小板が集合するため、血管壁に血栓が溜まりやすくなります。運動量が減ると血液中のブドウ糖と消費されずに残った大量のインスリンが脂肪を合成します。それらは主に内臓脂肪として腹部に蓄積されるのでお腹が出てきます。カラダに溜まる脂肪には皮下脂肪と腸の周囲に溜まる内臓脂肪があり、日本人を含めアジア人は欧米人に比べて内臓脂肪が溜まりやすいようです。
 糖質を制限すると男性の方が女性よりも明確に減量できます。女性は女性ホルモンの影響で皮下脂肪が母体を守るために蓄積されるので減量しにくいのです。かといって無理なダイエットをすると筋肉量の減少を招き後遺症が出る場合があります。糖質制限で体重が減少してから再び太らない体にするには運動が効果的です。この時、タンパク質や脂質を取らずに運動するのは筋肉量の減少を招き、エネルギー源が不足するので体調不良を起こすことがあります。注意しましょう。

◆スローミイラ化
 血液中のブドウ糖量が多いと、体内では糖化やAGEの産生が進みます。AGEとは終末糖化産物のことで、老化の原因物質と考えられています。電子レンジは短時間で高温加熱するので、大量にAGEを発生させます。AGEを多く含む食品や糖質の摂り過ぎが老化を促進する、この現象を『スローミイラ化』と呼びます。
 人は若返ることはできません。しかし、過食を避けて、糖質制限しながら適度なタンパク質を摂る、塩辛い味付けに慣れ親しんだ食生活を薄味にする、味が物足りなかったら酸味を加えたり、香りの強い抗酸化物質(レモン・セロリ・ハーブ・にんにくなど)を加えるなど工夫すれば、老化を遅らせることはできるでしょう。食事制限しながら水をたっぷり飲み、毎日こまめに体を動かしましょう。料理や掃除・洗濯・風呂掃除・部屋の模様替えなど、筋肉を使って筋肉量を増やし、スローミイラ化を防ぎましょう。

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