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VOL.207『遺伝子のスイッチを良い方向に変えよう』 [生命]

◆遺伝子という設計図
 ヒトは60兆個の細胞(最近では37〜40兆個と言われています)によって成り立ち、その細胞ひとつひとつに生命があります。器官や臓器は300種類以上の異なる細胞からできており、それぞれの細胞が助け合って臓器を動かし、臓器同士も助け合いながらカラダを生かしています。
 その働きの中心になるのが遺伝子です。遺伝子は細胞の核に存在し、遺伝情報という設計図で各細胞を働かせます。遺伝子は自分のコピーを作り、自分の生存を最優先にし、自分の子孫を残すことを優先します。つまり、遺伝子は基本的に利己的なのです。また、遺伝子には細胞自体が自殺するプログラムも初めから組み込まれています。例えば、傷ついた細胞は自ら死んでいく、これをアポトーシスといい、生を継続するための利己的なシステムです。

◆ヒトは1億分の1のエリート
 ヒトは、まず精子と卵子が受精して受精卵となり、子宮内で胎児は発育し、出産後は成長して成人になります。受精する際には1億個以上の精子が先を争って1つの卵子を目指します。そのうちいちばん早く卵子に到達した精子だけが、卵子の膜を破って入ることができます。その瞬間に卵子の膜は変化し、他の精子は入れなくなります。つまり、誕生したヒトは1億分の1のエリートなのです。
 その後、母体の胎内で38週間を経て、20〜30億個の細胞数で生まれます。最初の段階は魚に似た形から両生類、爬虫類を経て哺乳類の特徴が出てきて人間へと進化します。その情報の源が遺伝子で、その遺伝情報が書き込まれたDNAはそれぞれの細胞核内の染色体に収納されています。染色体には22種類の常染色体と男女の性を決定する性染色体があります。これをヒトゲノムといいます。
 遺伝子にはタンパク質をつくる暗号(設計図)が書かれています。この暗号によって器官や臓器になるタンパク質が絶妙なタイミングでつくられるので、DNAは生命の設計図と呼ばれます。

◆笑いというポジティブな心が遺伝子を変える
 遺伝子には、永遠に同じ活動を続けるものもあれば、それまで眠っていたのに何らかの刺激で目覚めて働き出すものもあります。逆に活動していた遺伝子が休眠したりもします。つまり、遺伝子の働きは固定されたものではなく、条件次第で働き方を変える余裕があるということです。例えば、健康になるための遺伝子や才能を伸ばす遺伝子が眠っていれば、それらのスイッチをオンにして、起きて働いている病気を引き起こす遺伝子や、狂暴性を発揮する遺伝子などのスイッチをオフにすることができれば、人生は大きく変わります。
 では、どのようにしてスイッチは切り替えられるのでしょう。1つは、熱・圧力・張力・訓練・運動などの物理的要因です。2つ目は食物と科学的要因(アルコール・タバコ、環境ホルモン:ダイオキシン・発ガン物質など)、3つ目はストレスやショックなどの精神的要因です。具体的には、喜び・愛情・感動・感謝・祈り・笑いなどのポジティブな心は良い方向に遺伝子のスイッチを刺激し、悲しみ・苦しみ・恐怖・不安・恨み・意地悪などのネガティブな心は悪い方向に遺伝子のスイッチを入れるという研究が進んでいます。
 笑いというポジティブな心が糖尿病や高血圧、ガンの発症を抑制するという研究結果があります。これは思いの強さや心の持ち方が遺伝子を良い方向に変えることを示しています。人生を楽しむには健康であることが一番です。良い方向に遺伝子のスイッチを変えて活性化し、人生を楽しみましょう。

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