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VOL.250『健康長寿のために腸を元気に』 [健康]

◆フコイダン・βグルカン
 近年、海藻類やキノコ類の抗酸化作用が注目されています。キノコ類にはβグルカンと呼ばれる多糖類の成分が含まれています。βグルカンは抗酸化力を発揮するだけでなく、インターロイキン12(IL-12)と呼ばれるサイトカイン(タンパク質、生理活性物質、細胞間の情報伝達)を放出することで、白血球の貪食系の免疫細胞であるマクロファージや樹状細胞を活性化し、NK細胞やヘルパーT細胞、キラーT細胞などの免疫機能の主役となる攻撃部隊を強化します。βグルカンは、抗酸化力や免疫力を高めるとともに胃ガンや大腸ガンの発症リスクを低減させます。個々の体質によっても違いますが、週に1〜3回摂取することで効果が現れますので種々のキノコを日替わりで食べてみてはどうでしょう?

◆中鎖脂肪酸・乳酸菌・食物繊維
 コンブやワカメ・モズクなどの海藻類にはフコイダンと呼ばれる多糖類が含まれています。海藻の種類によって含まれる多糖類は多少異なりますが、いずれも水溶性の食物繊維で免疫機能の向上や抗ガン作用が確認されています。なかでも注目を集めている食材が函館近海のカゴメコンブです。主成分はフコイダンやアルギン酸・ラミナンなどの多糖類で、独特の粘り成分であるフコイダンが他のコンブの2倍以上含まれています。
 実験的にヒト骨髄性白血病細胞にフコイダンを添加して培養した結果、ガン細胞を自然死させるアポトーシスという作用が活性化されることが分かりました。最近、フコイダンの吸収性を高める低分子フコイダンが開発され抗ガン作用が期待されています。しかしこれは飲みにくい上に高額なため、根コンブを入れた水が注目されています。根コンブの表面の汚れを落とし、水洗いしてハサミでなるべく小さく切り、200mlの水を入れて冷蔵庫で夏場なら10〜12時間、冬場では12〜24時間放置することでフコイダンの粘り成分が染み出した根コンブ水ができます。これに酢またはレモン汁を小さじ1杯入れれば完成です。お湯を使うと粘り気が出ないので気をつけましょう。逆にミネラル成分の多い水は相性が良いのでオススメです。
 フコイダンやβグルカンは単独でも抗ガン作用を発揮しますが、アボカドや中佐脂肪酸のオイルを併せて摂取するとさらに効果が高まるとの研究報告があります。また、乳酸菌との相乗効果も明らかにされています。通常、乳酸菌は腸内細菌を活性化させ、腸の蠕動運動を整えます。実験的に乳酸菌(フェカリス菌)にフコイダンを添加し、37℃で培養したものをマウスの脾臓細胞に注入した結果、3日後にはNK細胞が3倍以上に増加しました。
 βグルカンと乳酸菌を併用することでも腸管の免疫細胞を活性化させる効果が報告されています。乳酸菌が腸内細菌叢の中の善玉菌を増殖させることは知られていますが、乳酸菌を増殖させるにはエサとして多糖類の食物繊維が必要となります。普段の食生活でキノコ類や海藻類とともに野菜などから食物繊維を十分に摂取すれば、乳酸菌などの善玉菌は常に優位に増殖でき、腸内細菌叢のバランスは善玉菌が優位となります。

◆腸は免疫機能の中心
 腸は脳の次に免疫機能を調節する中枢神経系器官なので、腸の活動が活発になれば免疫力が高まります。肉類や脂肪分・乳製品を多く摂取していると、腸内に消化できないタンパク質が吸収されずに長く停滞します。それが大腸ガンの原因となったり、リスクを高めます。キノコ類や海藻類は腸の蠕動運動を活発にするので下痢や便秘を防止することから大腸ガンの抑制に役立ちます。腸の免疫系細胞が活性化することでNK細胞やヘルパーT細胞・キラーT細胞などガン細胞を攻撃する免疫機能が向上し、それにマクロファージや樹状細胞などが協力してガン細胞の増殖を抑制する方向に働きます。
 毎日、キノコ類や海藻類を中心に野菜など食物繊維が豊富な食物をたくさん摂取することは、病気にならない身体を作り、慢性疾患やガンの予防にもつながり、健康寿命を延ばすことにつながります。そして、ミネラル成分であるカルシウムやマグネシウムを併用すれば、さらに効果が高まります。

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