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VOL.297『水や野菜に含まれる硝酸性窒素』 [硝酸性窒素]

◆カラダに良い水
 古代中国の思想家で儒教の開祖としても知られる孔子は、論語の中で『どんな水でも飲めば健康になれるというわけではない』と言いました。ミネラル成分が豊富に含まれていることが重要であると言ったのです。特にカルシウムやマグネシウムを多く含んでいること、事実、標高2,000m以上の高山から流れ出る谷川の水にはカルシウムやマグネシウム・ケイ素・鉄などの多種多様なミネラル成分が微量に含まれており、その地域に住む人は長寿です。通常、加齢とともにカルシウムやマグネシウム・ケイ素の摂取量は不足してきます。これが病気の原因となり、健康維持が難しくなります。
 カルシウムやマグネシウムを多量に含む硬水は、欧米や大陸地域に多く分布しています。日本人は古代から硬度の低い水を常飲してきました。そのため硬水を飲むと腸内細菌のバランスが乱れて腰痛や下痢が起こります。硬度が低くてもカルシウムを始めとする微量元素が含まれる水は弱アルカリ性を示し、アルカリイオン水と呼ばれて健康に良いとされています。特に炭酸カルシウムを主成分とする水は粘度が高く腸からの吸収性に優れています。日本人はこの水を常用することで和食という健康食品を生み出し、長寿国となりました。

◆硝酸性窒素とは
 花崗岩や深成岩の多い地域である東海、近畿、中国、北九州などの地域では、飲料水に硝酸性窒素(硝酸塩)が多く含まれています。また、野菜や果物の栽培には肥料として窒素肥料が大量に使われます。肥料中の硝酸性窒素は野菜や果物の栄養成分で、歯の部分に蓄積することで青々と育ちます。最近では水耕栽培の工場も増え、工場内では人工光を使用して多量の窒素肥料を自動的に添加する24時間体制で生野菜の栽培を行っています。
 硝酸性窒素や硝酸塩を多く含む野菜で飼育された牛や豚の肉には硝酸塩が蓄積します。硝酸塩や硝酸性窒素が還元された亜硝酸塩は、ヒトの体内でタンパク質の二級アミンと結合してニトロソアミンという発ガン性物質を生成します。ニトロソアミンは肉類に含まれるタンパク質と野菜や水中の硝酸性窒素が化学反応を起こして体内に発ガン性物質を産生すると同時に活性酸素も発生させます。
 近年、日本人の糖尿病やガンが増えている原因の一つとして、ニトロソアミンが膵臓のβ細胞を損傷することで血糖値を下げるインスリン分泌を減少させることがあります。日本人は欧米人に比べて糖尿病を発症させる遺伝子が2倍以上も存在することが知られています。ですから肥満でなくても糖尿病になりやすいのです。
 近頃の若い女性の胸が大きくなっているのは肉類の摂取量の増加が関係しています。毎日、肉類や脂肪分の多い食品、酸性食品を過剰に摂取していると腸の働きが低下して酸性体質(アシドーシス)となり、結石が生じやすくなります。そしてそれは乳ガン発症の増加にも関係しています。酸性体質が続くことで、生命維持のため体内を中和しようと骨や歯に含まれるカルシウムが溶かし出されて体内がカルシウム不足となります。ストレス社会の今日、仕事が忙しく過労が続くことでストレス過剰となり肥満が進みます。肉の摂取量を少なくして生野菜を多く食べる生活を心がけても、野菜には硝酸塩や硝酸性窒素が含まれていることを知らずに摂取し続けるという悪循環が起こります。

◆硝酸性窒素に注意
 野菜は硝酸性窒素を取り除いた水でよく洗浄するか、湯がきしてから食べることです。忙しいからと電子レンジを使って調理しても硝酸塩は取り除けません。アメリカやスウェーデンでの調査でも硝酸塩や亜硝酸塩を含む飲料水を飲み続けることと糖尿病や小児糖尿病との関連が指摘されています。オランダではチューリップの栽培に多量の窒素肥料を使用するため周辺の土地や地域では硝酸性窒素を含んだ水が問題となっています。その水は洗浄用としては使用できますが、飲料水として使用しないようにと指導されています。
 水道水にはトリハロメタンだけではなく、硝酸性窒素も含まれています。健康のため水や野菜に含まれる硝酸性窒素にも注意しましょう。

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