SSブログ

VOL.95『重金属セレンの働き』 [ミネラル]

◆酸素の利用 → 活性酸素との闘い
 およそ25億年前の地球は、それまで毒であった大量の酸素で汚染されていたため、生命体は細胞内にミトコンドリアを取り込むことで、この酸素を利用して高いエネルギー産生を獲得するようになりました。そして生命体は、毒性の高い活性酸素を体内で生じさせることで進化しましたが、それは活性酸素との闘いの始まりでもありました。
 そこで生命体は、活性酸素を消去するために重金属を利用しました。特に顕著な例は植物です。植物は細胞内に、光合成を行なう葉緑素と、酸素呼吸を行なうミトコンドリアの両方を持っているせいで活性酸素の生成が動物の2倍以上となります。そのため活性酸素を消去する優れたシステムが必要となりました。そこで生命体はアスコルビン酸系とグルタチオン系の代謝回路を作り、回路の途中で効率的に活性酸素が除去されるようにしました。この代謝回路を回転させる酵素に重金属が関与しています。

◆セレンと活性酸素
 これは動物にも見られるシステムで、その中心ではセレンが活性化しています。セレンはヒトでの必須元素の一つであり、さまざまな酵素活性の中心です。自律神経をコントロールするホルモンの代謝に関与するなど、生命の維持活動に影響していて、欠乏すると心臓疾患になりやすくなります。しかしセレンは必須元素でありながら、最適な濃度範囲が極めて狭いことが特徴で、わずかな過剰摂取が重篤な事態をもたらすこともあります。
 体内に発生した活性酸素は悪いことばかりではなく、細菌やウイルスを退治する役目も持っています。カラダに傷や潰瘍ができたり、病原体の感染があったりすると、その部位で活性酸素が発生し、異物と闘うために炎症を起こします。しかし余分に発生してしまった活性酸素の一部は過酸化水素になります。この過酸化水素は人体に有害なため、赤血球に存在するセレンを含む抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼが分解します。この酵素は炎症が発生している時に直接働きますが、タンパク質分解酵素の作用を受けると直ちに分解されてしまいます。この時に重要な働きをするのがセレンで、グルタチオンペルオキシダーゼの活性はセレンによって増強されます。

◆サンゴミネラルで若々しく
 また、活性酸素を分解する酵素にSODがあります。SODは活性部分に微量元素である亜鉛・鉄・マンガン・セレンなどの重金属が結合することで活性が高まります。これも生命体が重金属を積極的に利用して生存し続けた結果です。
 活性酸素に対抗するためには活性酸素分解酵素SODや抗酸化酵素グルタチオンペルオキシダーゼなどセレンを含む酵素の関与が不可欠です。
 サンゴにはこれらセレンを含む重金属(微量元素)がバランスよく含まれています。サンゴのミネラルを上手に摂取してカラダをサビさせる活性酸素と闘いましょう。

V95-イラスト.jpg

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。