SSブログ

VOL.97『インフルエンザに負けるな!!』 [体]

◆新型インフルエンザ
 今年もまたインフルエンザの季節がやってきました。今年の冬はどのタイプのインフルエンザウイルスが蔓延するのかはまだ分かりませんが、通常の予防接種は始まっています。
2009年、豚インフルエンザ由来のウイルスが、ヒトからヒトへと感染する新型インフルエンザとなって流行しました。このウイルスは、鳥インフルエンザに豚が感染し、豚型インフルエンザとなってヒトに感染したものです。幸い、この豚インフルエンザウイルスは弱毒性で病原性も低く、ほとんどの人が交叉性の基礎免疫を持っていたので、大きな健康被害を出さずに済みました。しかし、豚インフルエンザは、鳥インフルエンザに比べてヒトに感染する確率が高いので、その危険性が懸念されています。そこで、ワクチンや抗インフルエンザ薬などの備蓄や、発生時の行動対策が進められています。
2010年以降は、強毒性H5N1型鳥インフルエンザの感染が、養鶏場や白鳥、ナベツルなどでみられました。韓国でも大規模な流行があり、感染を避けるため大量の鶏が殺処分となりました。H5N1型鳥インフルエンザウイルスは、病原性の高い強毒性ウイルスで、ヒトに対しても全身感染や多臓器不全を起こします。このウイルスが突然変異を起こし、ヒト型となって、世界的大流行(パンデミック)を起こすことが問題です。そのため強毒性H5N1型鳥インフルエンザのワクチンがすでに準備されています。また、関係分野ではその健康被害や社会的影響を含めた対策が推進されています。

◆遺伝子を突然変異させる、やっかいなウイルス
 通常、ヒトには免疫機能があり、体内に侵入したウイルスは免疫細胞が攻撃して排除してくれます。しかし、インフルエンザウイルスは頻繁に起こす遺伝子の突然変異によって、ヒトが過去に感染して獲得した免疫記憶(基礎免疫)を巧妙にすり抜けて感染し、体内でウイルスを増殖させます。インフルエンザウイルスは遺伝子が変異しやすく、姿や形を変化させるやっかいな病原体なのです。過去、最悪とされた1918年のスペイン風邪(インフルエンザ)では、世界人口18億人のうち4000万人~1億人が死亡しました。
呼吸によって吸い込まれたインフルエンザウイルスは、鼻や喉の粘膜に付着し、粘膜の上皮細胞で増殖します。1つの細胞から6~8時間後には100~1000個の子孫ウイルスが産生され、24時間後には100万個以上となります。ウイルスは、手洗いやうがい、鼻水を出すなどして除去しますが、咳やくしゃみによって放出されたウイルスは空中を舞って飛散します。冬は、乾燥・低温・密閉の環境なのでウイルスの感染力が安定し、空間を浮遊して停滞するので、マスクを使用して感染を防止しましょう。

◆予防の重要性
 インフルエンザは、子どもや若年層が感染しやすいようです。高齢者が過去に交叉性基礎免疫を獲得しているのに対して、子どもや若年層は初感染になりやすいからです。インフルエンザウイルスワクチンの接種は、あらかじめ特異的な免疫を作っておくことで有効な方法であり、それによって重症化や大規模感染が防止できるとも考えられます。
今年の冬は、強毒性ウイルスの発生やパンデミックが起きないことが望まれますが、カルシウムやミネラルを十分に摂取して免疫力を上げて、インフルエンザに負けないカラダ作りをすることも大切です。

V97-イラスト.jpg

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。