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VOL.98『微量でも重要なミネラル』 [ミネラル]

◆必須ミネラル
 ミネラルはカラダを構成する微量栄養素で、生命の維持や生命活動には欠くことができません。特にカラダに欠くことができないミネラルは必須ミネラルといい、カルシウム・マグネシウム・リン・カリウム・ナトリウム・鉄・亜鉛・マンガン・セレンなど16種類あります。これらがカラダに占める割合はわずか4%に過ぎませんが、それぞれ重要な働きをしています。なかでもカルシウムやマグネシウムは、日常の食生活で特に欠乏しやすいミネラルです。

◆カルシウムの不足、リンの過剰摂取
 高齢になるとビタミンDを活性化させる肝臓や腎臓の働きが弱まるので、カルシウムの吸収に必要なビタミンDが不足します。するとカルシウムが体内で不足しやすくなります。そこで、生命を維持するために血液中のカルシウム濃度を一定に保とうと、副甲状腺ホルモンが働きます。副甲状腺ホルモンは骨に作用し、骨を溶かして血中カルシウム濃度を維持します。この働きによって、血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。しかし、骨が溶け出る状態が長く続くと、骨は貯蔵してあるカルシウムが減少してしまうので、脆く、スカスカの状態になります。これが骨粗鬆症です。ですから日頃から十分にカルシウムを摂取することが大切なのです。
 食生活の欧米化によって高タンパク質食品の摂取が増えてきましたが、リンはそれらに多く含まれています。そこでリンの過剰摂取が問題となっています。ソーセージやハム、かまぼこなどの加工食品の食品添加物には、リン酸やポリリン酸が多く含まれます。リンの過剰摂取は骨や血管機能の障害の元となり、酸化ストレスとなって動脈硬化を促進します。酸化ストレスとは、生体内で生成する活性酸素による酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応が強まることで、カラダに障害を与えます。
 酸化ストレスが増加すると、脳では抗酸化機能が低下し、皮膚には老人性色素沈着いわゆるシミ(メラニン)が現れ、体内の細胞膜が硬化します。シミはカラダの不飽和脂肪酸が過酸化脂質に変わり、タンパク質とメラニンが結合することでできます。細胞膜の硬化も不飽和脂肪酸と活性酸素による老化現象で、これが動脈硬化や脳梗塞につながります。

◆健康・長寿のために
 高齢者では抗酸化機能を持つグルタチオン濃度が低下するため、細胞の老化やガン化が起こります。老化に伴って免疫システムのTリンパ球(T細胞)も機能が低下します。すると筋肉タンパク質が減少し、血液中の亜鉛濃度が低下します、亜鉛は皮膚・骨・歯などの成分に多く含まれ、生体を構成する微量ミネラル(必須元素)です。亜鉛が不足すると味覚障害や脱毛、食欲低下などの症状が起きます。これによって血液中の免疫機能に関与するインターロイキン濃度が上昇します。インターロイキンとは、細胞の増殖や分化を制御するタンパク質で、神経内分泌や免疫機能に関与します。インターロイキン濃度の上昇は、筋肉量や筋力が確実に低下することを示し、病気のリスクが高まります。
 このように、カルシウム・リン・亜鉛などのミネラル成分は、生命を維持する極めて重要な微量必須元素です。しかし、作用する範囲が狭いため、欠乏や過剰摂取では影響が出やすいようです。だからこそ、一定量を毎日続けて摂取することが、健康の維持・老化の防止・長寿に役立つのです。

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