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VOL.186『脳の発達は胎生期から始まっている』 [生命]

◆妊娠検査の進歩
 最近は妊娠検査の際に、3Dや4D機能付きの胎児超音波検査によって胎児の顔や全身の姿を確認することができるようになっています。3D胎児超音波検査は胎児の姿を立体的に映し出し、4Dでは胎児の動く様子や心臓の動きまで撮影できます。これによって胎内の赤ちゃんの表情を感じとることができ、胎児に異常があれば見つけることもできます。
 妊娠検診では、腹部に機器を当てて手元のモニターを確認しながら、胎児の心臓や脳の構造、胎盤の位置などに異常がないか確認します。機器には画像を肌色にする機能があり、立ち会った家族も胎児の姿をリアルに感じられます。
 胎児超音波検査は妊娠初期には妊娠週数や胎児の染色体異常の確率などが解り、妊娠中期では胎児の形態異常の有無や、羊水量などを確認できます。
 かつては画像が不鮮明だったために誤診もありましたが、今では心臓内部の細かい構造まで確認できるほど分析精度が上がり、見分けられる異常の種類が増したため、産後の治療計画も立てやすくなってメリットは極めて大きいと言えます。検査によって異常が発見されれば、その結果を受け止める覚悟や正しい知識を前もって持つことができるので、妊婦の心配も少し緩和されます。

◆超音波検査には不安も
 超音波検査は1970年代から普及し始め、1990年代には全国に広がり、妊娠検診への公費負担の拡充なども背景となって一気に拡大しました。しかし、超音波検査が胎児の脳に与える影響など不明な点も多いことから、欧米では2〜3回程度が一般的で、必要最低限に止めることが推奨されています。妊娠後期は胎児の脳の神経細胞が急激に増加する時期で、無理に脳の超音波検査をする必要がありません。胎児は体内で順調に発育し、無事に完成すればその後は胎動で感じることができ、愛着も深まります。日本では高齢出産が増加する傾向にあり、それに伴って胎児の心臓などに異常が増す確率が高まっています。超音波検査は早く知ることで対応できるメリットもありますが、胎児の脳に障害を起こす可能性もあります。

◆男児は単純で自尊心が強い
 男児の子育てにおいて、すぐに乱暴したり、理由もなく暴れたり、走り回ったりするようになる3歳頃からの行動パターンが読めず、理解できない母親が多いそうです。少子化によって、男の兄弟がいなかったり、安全重視で過保護に育ったことが影響しているのか、母親には男性である息子が同性である娘に比べて遠い存在で、理解できないのです。一方、父親は同性なので男児の行動に悩むことはあまりありません。男児が母親を困らせるのは、好きな女の子の関心を引きたくて意地悪するのに似ていると父親の方は判断しています。男児は女児に比べて言葉の発達がゆっくりで、言葉よりも行動が先に出てしまうため、うまく気持ちを伝えられないもどかしさから手が出るなど、理解し難い行動をとるようです。そこで、母親が叱ると、男児は人前で怒られることを恥と感じるため、ますます話を聞かなくなります。男児は単純で自尊心が強いので、母親は優しく接すると良いようです。
 男児は胎生16〜20週目に精巣から大量のアンドロゲン(男性ホルモン)が分泌されます。これが男性脳を作って、運動機能が発達し、行動力が高まります。アンドロゲンシャワーの量が多いほど運動能力が高くなります。妊娠後期の脳の発達は、将来の人間形成に最も重要です。男と女は発生学的にも子供、いや胎児の時からすでに異なっているのです。


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