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VOL.257『生命を支配する「水」』 [水]

◆生物になくてはならない『水』
 ヒトが生命を維持するために最も必要なものが水です。カラダは37兆個ほどの細胞からなり、胎児は体重の90〜95%、子供は75〜80%、成人は60%、高齢者は50%の水分でできています。老化とは水分がカラダから失われていく過程です。植物が枯れるようにカラダから水分が失われ、生命が終わっていきます。
 地球上のあらゆる生命は水に依存し、乾燥に弱いという弱点があります。ヒトを含めた生物は水がなくては生きられません。それは生命の始まりが海中であることを示しています。人類の祖先である生命体は40億年前に太陽光線が届く浅い海の中で誕生しました。海中は穏やかな環境で、生命体は水中にいるだけで栄養素やミネラル成分を得ることができました。それゆえ生物は水の中でしか生きられませんでした。

◆カラダの中の海
 水のない陸地では生きられなかった生物が海から陸に上がるために、生物は体内に海を作りました。つまり、カラダの50%以上を水分で満たすことで上陸が可能となったのです。これがカラダの半分以上が水で占められている理由です。同時に乾燥に弱いという性質を持つことになりました。例えば、樹木は秋冬には葉を落として休眠し、アフリカでは動物が乾季になると水を求めて命がけの大移動をします。水を飲まないと動物も人間も4〜5日で死亡します。水は生命を支配しているのです。
 カラダの50%以上を占める水はその60%が細胞内にあります。残りの40%が血液や体液などの細胞外に存在します。細胞は60〜70%が水で、水がなければ生きられず壊死します。細胞はカラダを維持するタンパク質の製造工場です。細胞内には司令塔である核があり、DNAという遺伝子の情報にしたがってタンパク質を製造する設計図があります。カラダの臓器や組織、器官は全てタンパク質からできています。
 ヒトは毎日食物から栄養素を摂取し、それは胃で消化分解され、腸でアミノ酸(タンパク質)に分解吸収されます。アミノ酸は血液を介して各細胞に運ばれ、タンパク質に再構成され、その過程で水が使われます。つまり、水がなければカラダを動かすことができないのです。その中心が血液です。血液は体重の8%で、だいたい4リットルの血液が体内を流れています。血管の長さは合計10万kmに達し、これは地球2周分以上の長さです。心臓から押し出された血液は体内を巡り50秒で再び心臓に戻ります。秒速40〜50m(時速180km)の速さで栄養素と酸素を細胞に運び、代わりに二酸化炭素(老廃物)を回収しています。体温も血液によって維持されています。
 体内の水は体液のpHを調節しています。カラダが酸性に傾けばpH6.8以下で細胞が死に至ります。逆にpH7.8以上のアルカリ性になっても細胞は死んでしまいます。水によって体液は弱アルカリ性のpH7.3〜7.45の狭い正常範囲に調節されているのです。

◆質の良い水で健康維持
 体内で不要となった有害物質を浄化またはリサイクルしたり排泄するのも水の働きです。ヒトは何もしなくても、1日に2.4〜2.8リットルの水が体外に出て行きます。その中で最も多いのが尿で1.5リットルです。腎臓でろ過された老廃物は水分と一緒に尿として排泄されます。発熱時には熱を下げて体温を正常に保つために水が使われます。寝ている間にも700〜1000mlが皮膚や呼気から出て行きます。便中にも200〜300mlの水量が含まれています。これらを合計すると2.4〜2.8リットルになります。
 失われた分の水は補給しなければなりません。食品に含まれる水量は700〜1000mlです。残りは水として意識して摂取しなければなりません。ヒトは1〜2%の水分を失うだけで意識に障害が起こります。これが脱水症です。特に、乳幼児や子供、高齢者に起こりやすいので普段から気をつけて水分補給するように心がけましょう。摂取する水はカルシウムやマグネシウムをはじめとするミネラル成分が豊富な水を選びましょう。

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